【株用語51】FX(外国為替取引)基礎編まとめ|スプレッド・スワップ・レバレッジを初心者向けに解説

株用語まとめ51 株用語入門

ニュースで「1ドル○○円」という数字を毎日のように目にします。円安・円高は、輸入品の値段から海外旅行の費用、そして私たちが積み立てている投資信託の値動きまで、生活の広い範囲に影響します。

その為替レートの変動を利用して取引する金融商品の一つがFX(外国為替証拠金取引)です。証拠金をもとに、預けた資金より大きな金額を取引できる仕組みがあり、平日はほぼ24時間取引できるという特徴があります。

先にお伝えしておくと、私自身は現在、FXの取引はしていません。長期の資産形成の柱としては、投資信託の積立を中心に考えているためです。それでも、為替の仕組みを知っておくことには意味があります。外国資産に投資する場合、為替ヘッジの有無などによって影響の受け方は異なりますが、為替の動きが資産の評価額に関わってくることに変わりはないからです。

今回は株用語シリーズ第51回として、FXの基本となる7つの用語を整理します。取引を勧める趣旨の記事ではありません。仕組みとリスクの両方を知ったうえで、自分に必要かどうかを判断していただくための内容です。

この記事で分かること

  • FXがどのような仕組みの取引なのか
  • スプレッド・スワップポイントという、FX特有のコストと損益の考え方
  • レバレッジが、なぜ利益と損失の振れ幅を大きくするのか
  • ポジション管理やロスカットといったリスク管理の基本
  • FXと株式投資では、そもそも何が違うのか

351|FX(外国為替取引)とは

定義:FXは「外国為替証拠金取引」と呼ばれ、証拠金を預けて異なる2つの通貨を売買し、為替レートの変動などによる損益が発生する取引です。

ポイント

  • 「米ドル/円」「ユーロ/円」のように、2つの通貨の組み合わせ(通貨ペア)で取引します。たとえば米ドル/円を買う取引では、米ドルを買う一方で円を売る形になります。
  • 損益に大きく関わる要素として、為替レートの変動による差損益と、2つの通貨の金利差などをもとにしたスワップポイントがあります。このほか、スプレッドなどの取引コストも損益に影響します。
  • 個人向けFXでは、FX会社との相対取引となる「店頭FX」が利用されています。提示されるレートやスプレッドなどの条件は、取引業者によって異なります。
  • FX取引をしない場合でも、円安・円高や外国資産の値動きを理解するために、為替の基本を知っておくことには意味があります。

注意点

  • 為替は2つの通貨の相対的な価格です。企業の利益や配当のように、保有していること自体から価値が生まれる仕組みとは性質が異なります。
  • FXは短期的な値動きを利用した取引にも使われるため、長期の資産形成とは目的やリスクの性質が異なります。
  • 為替の変動以外にも、取引業者の信用リスク、市場の流動性低下、システム障害などによって、希望どおりに取引できないことがあります。

352|為替スプレッド

定義:通貨を買うときのレートと売るときのレートの差のことです。この差が、取引する側にとっての実質的なコストの一つになります。

ポイント

  • 売買手数料が無料と表示されていても、スプレッドという形でコストが発生する場合があります。「手数料ゼロ=取引コストがない」とは限りません。
  • 取引を始めた時点では、スプレッドの分だけ不利な状態からのスタートになります。売買の回数が増えるほど、このコストは積み上がっていきます。
  • スプレッドの広さは通貨ペアによって異なり、取引量や市場環境などによって変わります。
  • 重要な経済指標の発表前後や、取引参加者が少ない時間帯などには、スプレッドが普段より広がることがあります。

注意点

  • 各社が提示するスプレッドは変更されることがあり、「原則固定」と案内されていても、相場が急変する局面などでは適用されない場合があります。条件の詳細は各社の公式サイトでご確認ください。
  • スプレッドの狭さだけで選ぶのではなく、注文がどのような条件で成立するのかも確認しておきたいところです。
  • 注文時に表示されていた価格と、実際に成立した価格がずれることがあります。これをスリッページといい、相場が大きく動いている場面などで発生することがあります。

353|スワップポイント

定義:取引する2つの通貨の金利差などをもとに生じる調整分のことです。ポジションの保有状況に応じて、受け取りまたは支払いが発生する場合があります。

ポイント

  • 一般に、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買う取引では、受け取る側になりやすいとされます。ただし実際の扱いは、取引業者や市場環境によって異なります。
  • ポジションを一定の時点をまたいで保有すると、受け取りまたは支払いが発生する場合があります。付与される日数や反映のタイミングは、取引業者や通貨ペアによって異なります。
  • スワップポイントは固定されたものではなく、各国の金融政策や市場環境などによって変わります。

注意点

  • 金融政策や市場環境が変われば、受け取りだったものが支払いに転じることもあります。
  • 高金利の通貨でも、その国の経済状況や信用リスクなどによって通貨自体が下落することがあります。受け取ったスワップポイント以上の為替差損が生じれば、全体では損失です。
  • 具体的な付与額や計算方法、税務上の扱いなどは変更される場合があります。取引を検討するときは、各社の公式情報や国税庁などの最新情報をご確認ください。

354|FXのレバレッジ

定義:預けた証拠金をもとに、それより大きな金額の取引を行える仕組みのことです。

ポイント

  • 少ない資金で大きな金額を取引できるため、資金効率が高いと説明されることがあります。その一方で、損失も大きくなりやすい点には注意が必要です。
  • 国内のFX取引にはレバレッジなどに関する規制があります。具体的な内容は変更される可能性があるため、金融庁や取引業者の公式情報で最新の内容をご確認ください。
  • 取引を維持するには一定の証拠金が必要です。口座の状況によっては追加の入金が必要になったり、取引業者によって強制的に決済されたりします。判定方法や基準は取引業者によって異なります。
  • 利用できるレバレッジを上限まで使う必要はありません。取引額を抑えることで、実質的なレバレッジを低くする考え方もあります。

注意点

  • レバレッジを高くすると、為替の値動きに対する利益と損失の振れ幅が大きくなります。少額から取引できるということは、少額で大きな損失が出る可能性があるという意味でもあります。
  • ロスカットは損失の拡大を抑えるための仕組みですが、相場が急変した場合には想定した価格で決済できないことがあります。その結果、預けた証拠金を上回る損失が生じる可能性もあります。
  • 生活資金や近い将来に使う予定のあるお金をFX取引に充てることは避け、余裕資金の範囲で判断することが大切です。

355|FXの取引時間

定義:FXが取引できる時間帯のことです。株式のように取引所の立会時間に区切られていない点が特徴です。

ポイント

  • 東京、ロンドン、ニューヨークなど世界各地で外国為替取引が行われているため、平日は長い時間にわたって取引できます。
  • 時間帯によって取引の活発さは変わります。経済指標の発表や重要なニュースが重なると、値動きが大きくなることもあります。
  • 日中働いている人でも夜間に取引できる点は、日本株の現物取引などとは異なる特徴の一つです。
  • 海外市場の取引時間や取引業者のメンテナンスなどによって、実際に取引できる時間は変わります。正確な時間は各社の公式サイトでご確認ください。

注意点

  • 長い時間取引できるということは、眠っている間にも相場が動くということです。ポジションを保有したまま就寝する場合には、あらかじめリスクを考えておく必要があります。
  • 週末など取引できない時間に大きなニュースが出ると、次の取引開始時に前回の水準から大きく離れて始まることがあります。
  • いつでも相場を確認できる環境は便利な一方、生活リズムや仕事への影響が大きくならないよう注意したいところです。

356|FXのポジション管理

定義:保有している建玉(未決済の取引)の量やリスクを、自分で決めた方針に沿って管理することです。

ポイント

  • 買いから入る取引を「ロング」、売りから入る取引を「ショート」と呼びます。FXでは為替レートが下落する局面でも利益を狙える一方、予想と反対に動けば損失が生じます。
  • 取引を始める前に、どの程度の損失までなら許容できるかを考えておく方法があります。逆指値注文などを利用して、あらかじめ決済条件を設定しておくことも選択肢です。
  • 証拠金に余裕を持たせ、過度に大きな取引を避けることで、急な値動きによる影響を抑えやすくなります。
  • 1回の取引で許容できる損失額を、資金全体とのバランスから事前に決めておく考え方もあります。

注意点

  • 含み損を抱えたポジションを決済せず、さらに同じ方向へ取引を追加する「ナンピン」は、相場がさらに逆方向へ動いた場合に損失が大きく膨らむ可能性があります。
  • 損失を取り返そうとして取引量を増やすと、当初想定していたリスクを超える可能性があります。感情的になっていると感じたときは、取引から距離を置くことも選択肢です。
  • 取引ルールを作っても、その場の感情で変更してしまえば十分なリスク管理になりません。自分が継続して守れる方法かどうかを考えることが大切です。

357|FXと株式投資の違い

定義:FXと株式投資は同じ「投資」という言葉で語られることがありますが、収益が生まれる仕組みやリスクの性質には違いがあります。

ポイント

  • 収益が生まれる仕組みに違いがあります。株式は企業の業績や将来への期待などが株価に反映され、企業によっては配当を受け取れる場合があります。一方、為替は2つの通貨の相対的な価格であり、企業利益や配当のような価値創出を直接受け取る仕組みとは異なります。
  • 株式や投資信託では、商品によって配当や分配金を受け取れる場合があります。FXのスワップポイントは通貨間の金利差などをもとにした調整分であり、性質が異なります。
  • 取引できる時間、レバレッジの利用、値動きへの対応など、運用に必要となる時間や関与の仕方にも違いがあります。
  • 税金の扱いも株式とFXでは異なります。国内の一定のFX取引による利益は、一般に「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になります。具体的な課税条件や確定申告の要否などは変更される場合があるため、国税庁の公式情報や税理士などにご確認ください。

注意点

  • 投資信託などを長期で積み立てる方法と、FXで為替の値動きを利用する取引は、目的も時間軸もリスクの性質も異なります。同じ資産形成の方法として一括りにしないことが大切です。
  • FXはNISAの対象商品ではありません。NISAで利用できる商品の範囲など、制度の具体的な内容は変更される可能性があるため、金融庁などの公式情報で最新の内容をご確認ください。
  • 海外の取引業者を利用する場合は、国内の取引業者とは規制や税務上の扱いなどが異なる場合があります。利用を検討するときは、金融庁や国税庁などの公式情報を確認してください。
  • FXは、資産形成のために必ず利用しなければならないものではありません。仕組みとリスクを理解したうえで「自分には必要ない」と判断することも、一つの選択です。

まとめ|知っておくことと、やることは別

今回取り上げた7つを振り返ります。

  • 351|FX(外国為替取引)とは:証拠金をもとに2つの通貨を売買する取引
  • 352|為替スプレッド:売値と買値の差が取引コストの一つになる
  • 353|スワップポイント:金利差などをもとにした調整分で、受け取りにも支払いにもなる
  • 354|FXのレバレッジ:少ない資金で大きな取引ができる一方、損失も大きくなり得る仕組み
  • 355|FXの取引時間:平日は長い時間取引でき、眠っている間にも相場が動く
  • 356|FXのポジション管理:取引量と損失の許容範囲を、事前に決めて守ること
  • 357|FXと株式投資の違い:収益の仕組みも時間軸もリスクの性質も異なる

為替の知識は、FXをするかどうかにかかわらず役に立ちます。為替ヘッジを行わない外国資産では、円安が円換算の評価額を押し上げる方向に働く場合があります。仕組みを知っていれば、為替による値動きも冷静に受け止めやすくなります。

そのうえで、私自身は現在、FXの取引はしていません。相場を追いかける時間を持たない働き方をしていること、そして長期の資産形成には別の方法を選んでいることが理由です。

知っておくことと、実際にやることは別です。仕組みを理解したうえで距離を置く。それも一つの選択だと思っています。

為替の影響を受ける資産を持つということ

FXをしなくても、外国株式のインデックスファンドなどを持っている場合、為替ヘッジの有無などによって為替の影響を受けることがあります。長期の資産形成として、まずは無理のない範囲で積立投資を考えたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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免責事項

本記事はFXおよび投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、FX取引や特定の金融商品の利用を推奨するものではありません。

FXは証拠金を上回る損失が生じる可能性のある取引です。為替相場の急変時には、想定した価格での決済ができない場合もあります。取引を行う場合は、契約締結前交付書面などを十分に確認し、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえて判断してください。

また、税制および金融商品に関する規制は改正される場合があります。実際の取引や制度の利用にあたっては、金融庁・国税庁などの公式情報、または税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご確認ください。

👤 この記事を書いた人

よよみり|50代・宅建士・FP2級の現役サラリーマン
不動産業界32年、新NISA月10万円積立中。
資産形成・副業・健康習慣を等身大で実践しています。

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