【株用語㊿】ライフステージ別投資編まとめ|20代〜60代の投資戦略・教育費を初心者向けに解説

株用語まとめ50 株用語入門

同じ「全世界株式のインデックスファンドを毎月積み立てる」という行動でも、20代の人がやるのと60代の人がやるのとでは、その意味は変わってきます。

投資の情報は「何を買うか」に集中しがちです。しかし実際には、その人が今どのライフステージにいて、これから何にお金を使う予定があり、あと何年働くのかによって、適した投資の方法は変わります。

私自身、50代半ばの会社員ですが、20代のころに「時間が資産形成の大きな味方になる」と知っていれば、と思うことは正直あります。一方で、これまでの経験や収入、退職までの期間を具体的に考えながら資産形成できるのは50代ならではの強みです。年代ごとの投資戦略は、単純に「若いほど有利」という話ではありません。

今回は株用語シリーズ第50回として、20代から60代以降までの年代別の考え方に加えて、ライフイベントとの付き合い方、教育費と投資の両立という7つのテーマを整理します。ご自身の年代だけでなく前後の年代も読むことで、これからどのような支出や変化が起こりやすいのかを考えるきっかけにしていただければと思います。

この記事で分かること

  • 20代〜60代以降まで、年代ごとに投資の考え方がどう変わるのか
  • 「時間」と「これから稼ぐ力」がリスクの取り方に影響する理由
  • ライフイベントが起きたとき、積立をどう調整すればよいのか
  • 教育費のような「使う時期が決まっているお金」の考え方
  • 資産を増やす時期から、取り崩す時期へ移る際の注意点

344|20代の投資戦略

定義:社会人になって間もない時期に、少額でも早く投資を始め、時間を味方につけながら資産形成していく考え方です。

ポイント

  • 20代の大きな強みは資金量よりも運用できる期間の長さです。長く運用できれば、その分だけ複利の効果を活かせる可能性があります。ただし運用成果が保証されるわけではなく、元本割れの可能性もあります。
  • これから働いて得られる収入、いわゆる「人的資本」が大きいため、損失が出た場合でも将来の収入で立て直す時間を確保しやすい年代です。ただし、収入の安定性や負債の有無、家族構成によって、取れるリスクは人それぞれ異なります。
  • 最初から大きな金額を投資する必要はありません。毎月無理のない金額を自動積立にして、継続する仕組みを作ることが大切です。
  • 資格取得やスキル習得など、自分自身への投資もこの年代では大切な選択肢です。

注意点

  • 生活防衛資金を確保する前に、手元のお金をすべて投資へ回すのは避けましょう。急な出費が発生すると、相場が下がっている時期でも売却せざるを得なくなる可能性があります。
  • SNSなどで話題になっている銘柄への集中投資や、レバレッジ商品、短期売買には注意が必要です。この年代で身についた投資の習慣は、その後の年代にも影響します。
  • NISAやiDeCoなどの制度は改正されることがあります。利用する際は金融庁や厚生労働省などの公式情報で最新の内容を確認しましょう。

345|30代の投資戦略

定義:結婚・出産・住宅購入などのライフイベントが増えてくる時期に、積立の継続と手元資金の確保を両立していく考え方です。

ポイント

  • 収入が増えてくる一方で、住宅や子育てなど大きな支出も増えやすい年代です。「増やす」と「守る」のバランスが重要になります。
  • 数年以内に使う予定がある住宅の頭金などは、株式などのリスク資産ではなく預貯金などで確保しておくことが基本です。
  • 結婚や出産など家族構成が変わったときは、保険や固定費を見直す機会にもなります。見直しで浮いた分を積立へ回すこともできます。
  • 住宅ローンの繰上返済と投資のどちらを優先するかは、金利だけでなく、家計の余裕や本人・家族の安心感も含めて考えましょう。

注意点

  • 支出が増えたからといって、積立をすぐにゼロにする必要はありません。家計に無理がある場合は、まず減額して続ける方法も検討できます。
  • 子どもが生まれたことをきっかけに金融商品を契約する場合も、内容をよく理解し、手数料や途中解約時の条件を確認しましょう。

346|40代の投資戦略

定義:収入が増える一方で教育費などの支出も大きくなりやすい時期に、老後資金の見通しを具体的にしていく考え方です。

ポイント

  • 家計に余力がある年は、無理のない範囲で積立額を増やすことも選択肢になります。
  • 老後資金を漠然と心配するのではなく、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で将来の年金見込額を確認してみましょう。不足額が見えれば、対策も具体的になります。
  • これまで積み立ててきた資産の配分も確認します。値上がりによって、特定の資産の割合が想定以上に大きくなっている場合があります。
  • 親の介護や相続などが現実的なテーマになってくる年代でもあります。家族の状況について少しずつ確認しておくことも大切です。

注意点

  • 「投資を始めるのが遅かった」と焦って、一発逆転を狙う必要はありません。集中投資や高いレバレッジを利用する商品には慎重になりましょう。
  • 教育費など大きな支出が近づいている場合は、投資額を増やす前に数年先の家計を確認しておくことが重要です。

347|50代の投資戦略

定義:退職までの期間が具体的に見えてくる時期に、資産を増やすことだけでなく、将来どのように使っていくかも考え始める投資戦略です。

ポイント

  • 退職までの時間が20代や30代より短くなるため、リスク資産を一気に減らすのではなく、今以上にリスクを増やしすぎないことも一つの選択肢です。
  • 教育費など大きな支出が一段落すると、家計に余力が生まれる場合があります。その余力を老後資金の積立へ回すことも考えられます。
  • 公的年金を何歳から受け取るのか、退職金をどのように受け取るのかによって、老後の家計や税負担は変わります。
  • 「何歳まで働くか」を考えることで、必要な老後資金や資産の取り崩し方も具体的に考えやすくなります。

注意点

  • 退職金などまとまったお金を受け取った直後に、大半を一度にリスク資産へ投資する必要はありません。投資する場合でも、家計やリスク許容度を確認しながら慎重に判断しましょう。
  • 金融機関から提案される「退職金向け」などの商品についても、商品名だけで判断せず、手数料・リスク・運用内容を確認することが大切です。
  • 年金や退職金に関する制度・税制は変更されることがあります。日本年金機構や国税庁などの公式情報を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

348|60代以降の投資戦略

定義:公的年金などの収入と、それまでに作ってきた資産の取り崩しを組み合わせながら生活していく時期の資産管理です。

ポイント

  • 資産を増やすことだけでなく、どのように減らしていくかも重要なテーマになります。
  • 資産の取り崩しには、毎年一定額を取り崩す「定額」と、資産額に対して一定割合を取り崩す「定率」などの考え方があります。
  • 取り崩し期の序盤に相場が大きく下落し、その中で生活費のための売却を続けると、その後の資産寿命に影響する場合があります。これを「シーケンス・オブ・リターン・リスク」と呼びます。
  • 相場が下落しているときに無理に資産を売却しなくても済むよう、当面の生活費を現金など値動きの小さい資産で確保しておく方法があります。
  • 利用している金融機関や保有資産の一覧を家族と共有しておくことも大切です。
  • 口座や金融商品を増やしすぎず、管理を分かりやすくしておくことも老後の資産管理では重要です。

注意点

  • 「高利回り」「毎月分配」などの言葉だけで商品を選ばないようにしましょう。分配金の一部または全部が実質的に元本の払い戻しとなる場合もあります。分配金が支払われた分だけ基準価額や個別元本が下がることもあるため、受け取れる金額だけで運用成果を判断しないことが大切です。
  • 公的年金の繰上げ・繰下げには受給額が変わる仕組みがあります。制度内容を確認したうえで、自分の生活設計に合った受給時期を考えましょう。

349|ライフイベントと投資の調整

定義:結婚・出産・転職・住宅購入・介護など、家計が大きく変化する出来事に合わせて、投資額や資産配分を見直すことです。

ポイント

  • お金は「いつ使うのか」で分けて考えると整理しやすくなります。
  • 数年以内に使う予定のお金は預貯金などで確保し、当面使う予定のない資金を長期投資へ回すことが基本的な考え方です。
  • 収入が減った場合は、家計の状況に応じて積立額を減らすこともできます。無理をして投資を続ける必要はありません。
  • 生活防衛資金があれば、急な支出が発生したときに投資資産を慌てて売却せずに済む可能性が高まります。
  • 転職や独立などで収入が不安定になる時期には、一時的に投資額やリスクを抑える判断もあります。

注意点

  • 「必要になったら投資商品を売ればいい」と考えていると、必要な時期と相場の下落が重なる可能性があります。
  • 大きな支出の時期が決まっている場合は、直前までリスク資産のままにせず、時間をかけて必要資金を確保していくことも検討しましょう。

350|教育費と投資の両立

定義:使う時期がある程度決まっている教育資金と、長期的な老後資金などの資産形成をどう両立するかという考え方です。

ポイント

  • 教育費の特徴は、必要になる時期を相場に合わせて簡単には変更できないことです。入学時期は株価が下落しているからといって延期できるとは限りません。
  • そのため、教育資金は老後資金とは分けて考えておくと管理しやすくなります。
  • 数年以内に使う予定の教育費は預貯金などで確保し、まだ長い期間がある資金については、リスクを理解したうえで投資を利用する方法もあります。
  • 必要な金額は、国公立か私立か、自宅通学か一人暮らしかなどによって大きく変わります。複数のケースを想定して余裕を持たせておきましょう。
  • 奨学金や教育ローンなども選択肢です。老後資金とのバランスを考えながら、家族全体で無理のない方法を検討することが大切です。

注意点

  • 近い将来に必要となる教育費の全額を株式などのリスク資産だけで準備するのは慎重に考えましょう。
  • 児童手当や授業料などの支援制度は、対象者や条件、支給内容が変更されることがあります。利用を検討する際は、こども家庭庁や文部科学省などの公式情報で最新の内容を確認してください。

まとめ|今の自分の位置を確認することから

今回取り上げた7つを振り返ります。

  • 344|20代の投資戦略:時間を味方につけ、少額でも続ける仕組みを作る
  • 345|30代の投資戦略:ライフイベントと資産形成を両立する
  • 346|40代の投資戦略:老後資金を具体的な数字で考え始める
  • 347|50代の投資戦略:退職後を見据え、増やすことと使うことの両方を考える
  • 348|60代以降の投資戦略:取り崩し方と資産管理を考える
  • 349|ライフイベントと投資の調整:お金を「使う時期」で分ける
  • 350|教育費と投資の両立:使う時期が決まっている資金は老後資金と分けて考える

年代によって投資の考え方は変わりますが、判断の軸になるのは結局のところ2つです。あと何年運用できるのかと、これから何にお金を使う予定があるのか。この2つを整理できれば、自分にとってのリスクの取り方も見えてきます。

私自身、50代になってから資産形成について改めて考えるようになりました。20代のような長い運用期間はありませんが、これまでの経験や収入、今後の働き方を踏まえて考えられるのは50代ならではだと思っています。

大切なのは他の年代と比べることではなく、今の自分や家族の状況に合った方法を、無理なく続けることです。

これから資産形成を始める方へ

NISAなどを使ってこれから資産形成を始める場合は、証券口座を準備するところから始まります。

私自身も楽天証券を利用して積立投資を続けています。楽天証券で新NISAを始める方法や、楽天カードを使った積立設定については、以下の記事で詳しくまとめています。

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免責事項

本記事は投資や資産形成に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。

投資には元本割れなどのリスクがあり、将来の運用成果を保証するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の家計状況やリスク許容度などを踏まえて行ってください。

また、税制・年金制度・各種支援制度などは改正される場合があります。実際に制度を利用する際は、金融庁・国税庁・厚生労働省・日本年金機構などの公式情報で最新の内容をご確認ください。

👤 この記事を書いた人

よよみり|50代・宅建士・FP2級の現役サラリーマン
不動産業界32年、新NISA月10万円積立中。
資産形成・副業・健康習慣を等身大で実践しています。

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