「ビットコインが最高値を更新」というニュースが流れると、投資をしていない人の間でも話題になります。一方で、取引所の破綻や不正流出、著名人をかたる投資勧誘といった報道も、これまで繰り返し出てきました。
暗号資産は、期待と不安の両方が同時に語られる分野です。仕組みが技術的で分かりにくいこと、そして価格の動きが大きくなることがある点も、その理由の一つだと思います。
先にお伝えしておくと、私自身は暗号資産を保有していません。長期の資産形成は投資信託の積立を中心に考えており、値動きの大きい資産を持つ必要性を感じていないためです。ただ、仕組みを知らないまま「怪しいもの」として片づけてしまうのも違うと考えています。知ったうえで選ばないことと、知らずに避けることは別だからです。
今回は株用語シリーズ第52回として、暗号資産の基本となる7つの用語を整理します。購入を勧める趣旨の記事ではありません。仕組みとリスクの両方を知ったうえで、自分に必要かどうかを判断していただくための内容です。
この記事で分かること
- 暗号資産がどのようなものなのか
- ビットコインとブロックチェーンの基本的な仕組み
- アルトコインを扱ううえで知っておきたい特徴
- 暗号資産の取引で税金を考えるときの注意点
- 取引所を選ぶときの確認点と、リスク管理の考え方
358|暗号資産(仮想通貨)の基礎
定義:インターネット上でやり取りされる、電子的に記録された財産的価値の一つです。日本では法律上「暗号資産」として定義され、交換サービスを提供する事業者には登録などの規制が設けられています。
ポイント
- 以前は「仮想通貨」という呼び方も広く使われていましたが、現在は「暗号資産」という名称が一般的です。
- 円やドルのような法定通貨ではありません。国や中央銀行が価値を保証しているものではなく、市場での需要と供給などによって価格が変動します。
- 日本国内で暗号資産の交換サービスを提供する事業者には登録制度があります。利用を検討するときは、金融庁などの公式情報で登録状況を確認することが大切です。
- 預金とは性質が異なり、元本が保証されるものではありません。事業者に預けている暗号資産や金銭が、銀行預金と同じように預金保険で保護されるわけでもありません。
注意点
- 企業の利益や不動産の賃料のように、保有していること自体から継続的な収益が生まれる仕組みとは性質が異なります。損益は主に価格の変動によって決まります。
- 暗号資産を取り巻く法令や規制は見直されることがあります。制度については、金融庁などの公式情報で最新の内容をご確認ください。
- 暗号資産に関連した詐欺的な勧誘も報告されています。SNSやメッセージアプリなどを通じた投資の誘いには慎重な対応が必要です。
359|ビットコインの特徴
定義:初期から広く知られている暗号資産の一つで、暗号資産を代表する存在として取り上げられることが多いものです。
ポイント
- 特定の中央管理者が取引記録を一括して管理するのではなく、ネットワーク上の仕組みによって取引記録が維持される設計になっています。
- プロトコル上、発行される総量に上限が設けられていることが、法定通貨との違いとしてよく挙げられます。
- 一定数のブロックが生成されるごとに、新規発行に関わる報酬が減る仕組みがあり、「半減期」と呼ばれています。
- 希少性などから「デジタルゴールド」と表現されることがありますが、これは一つの見方であり、将来の価値を保証するものではありません。
注意点
- 価格の変動が非常に大きくなることがあります。短期間で大きく上昇する場合もあれば、大きく下落する場合もあります。
- 「発行量に上限があるから必ず値上がりする」と考えることはできません。価格は市場での需要と供給など、さまざまな要因によって変動します。
- 各国の規制や税制、市場環境などによって、取り扱いや価格が影響を受ける場合があります。
360|ブロックチェーン技術
定義:取引などの記録を複数の参加者で共有し、データをつなげながら管理する技術です。分散型台帳技術の一つとして知られています。
ポイント
- 取引データなどをまとめた「ブロック」を、順番につなげて記録していく仕組みです。
- 公開型のブロックチェーンでは、複数の参加者が記録を検証・共有することで、過去の記録を一方的に書き換えることが難しくなるよう設計されています。ただし、改ざんが絶対に不可能という意味ではありません。
- 暗号資産以外にも、さまざまな分野で活用が研究・検討されています。
- 誰でも参加できるタイプや、参加者を限定するタイプなどがあり、目的に応じて異なる仕組みが使われています。
注意点
- 技術として評価されることと、その技術を利用した暗号資産の価格が上昇することは別の話です。投資判断では分けて考える必要があります。
- 暗号資産の送金では、一度行った操作を簡単に取り消せない場合があります。送金先などは十分に確認することが重要です。
- 「ブロックチェーンを使っているから安全」といった説明だけを理由に、投資先を判断しないよう注意しましょう。
361|アルトコイン
定義:一般に、ビットコイン以外の暗号資産を指す言葉です。さまざまな特徴や目的を持つものがあります。
ポイント
- それぞれ設計思想や用途が異なり、契約処理や送金など、特定の機能を重視して設計されたものもあります。
- 法定通貨などとの価格連動を目指して設計されたものもありますが、その仕組みが常に想定どおり機能するとは限りません。
- 国内でどの暗号資産が取り扱われているかは事業者によって異なります。取扱状況や制度については、各社や金融庁などの公式情報をご確認ください。
注意点
- 取引量が少ない暗号資産では、売りたいときに希望する価格で売買できない場合があります。
- 取引所での取り扱いが終了したり、開発が十分に続かなかったりすることで、価値が大きく下落する可能性もあります。
- 話題性などによって価格が大きく動く暗号資産もあります。「次に伸びる銘柄」「必ず値上がりする」といった勧誘には特に注意が必要です。
- 登録された事業者が扱っていることだけで、その暗号資産の価格や安全性が保証されるわけではありません。
362|暗号資産の税金
定義:暗号資産の売却や交換、使用などによって利益が生じた場合に関係する税務上の取り扱いです。
ポイント
- 暗号資産を保有しているだけで直ちに利益が確定するわけではありませんが、売却したときのほか、他の暗号資産と交換したときや、商品・サービスの購入に使ったときにも損益が生じることがあります。
- 現在のところ、個人が暗号資産の取引で得た利益は、原則として雑所得として扱われています。
- ただし、暗号資産の課税方法については見直しが進められています。所得区分や適用条件などは今後変わる可能性があるため、必ず国税庁などの公式情報で最新の内容をご確認ください。
- 損失が出た場合の取り扱いについても、他の金融商品と同じとは限りません。この点も見直しの対象に含まれています。
注意点
- 「日本円に換えていないから関係ない」とは限りません。交換や商品購入などでも確認が必要になる場合があります。
- 取引回数が増えると損益の計算が複雑になります。取引履歴を保存し、後から確認できる状態にしておくことが大切です。
- 暗号資産の税制は制度改正が続いている分野です。所得区分、税率、損失の取り扱い、計算方法、確定申告の要否については、国税庁の公式情報や税理士に必ず最新の内容をご確認ください。
363|取引所の選び方(暗号資産)
定義:暗号資産の売買などのサービスを提供する事業者を選ぶ際の考え方です。
ポイント
- まず確認したいのは、金融庁などの公式情報で登録状況を確認できる事業者かどうかです。登録事業者に関する情報は公式サイトで公開されています。
- 売買には、事業者が提示した価格で取引する方法と、利用者の注文をもとに売買する方法などがあり、コストの仕組みも異なります。
- 売買時のコストだけでなく、入出金や暗号資産を送る際にかかる費用も確認しておきたいところです。
- 顧客資産の管理方法やセキュリティ対策など、公表されている情報を確認することも大切です。
注意点
- 登録されている事業者であっても、その事業者の信用性や取り扱う暗号資産の安全性が保証されるわけではありません。登録状況の確認は、あくまで最低限の確認事項の一つです。
- 無登録の事業者や、海外の事業者を名乗るサービスとの取引では、トラブルが生じた際に十分な利用者保護を受けられない場合があります。
- 「必ず儲かる」「元本保証」などと利益や安全性を断定する勧誘には応じないでください。
- 各社のサービス内容や手数料は変更されます。利用前には各社の公式情報で最新の条件をご確認ください。
364|暗号資産のリスク管理
定義:価格変動や資産の管理方法などを含め、暗号資産を保有する場合に考えておきたいリスクへの向き合い方です。
ポイント
- 保有する場合でも、価格が大きく下落したり失われたりしても、生活や将来の計画に影響しない範囲に抑えるという考え方があります。
- 生活資金や近い将来に使う予定のあるお金を充てる対象ではありません。
- 事業者に預ける方法と、自分で管理する方法では、それぞれ異なるリスクがあります。自分で管理する場合、認証情報などを失うと資産にアクセスできなくなる可能性があります。
- 利益が生じた年には納税資金が必要になることがあります。すべてを再投資に回してしまわないよう、事前に確認しておきましょう。
注意点
- 不正アクセスやフィッシングなどによる被害を防ぐため、事業者が提供する認証機能など、基本的なセキュリティ対策は必ず活用してください。
- SNSやマッチングアプリなどをきっかけとした暗号資産の投資トラブルも報告されています。知らない相手からの投資勧誘には慎重な対応が必要です。
- 家族が保有の事実を知らない場合、万一のときに資産の存在や管理方法が分からなくなる可能性があります。保有するなら、必要な情報を家族が確認できるようにしておくことも選択肢です。
まとめ|知ったうえで選ばないという選択
今回取り上げた7つを振り返ります。
- 358|暗号資産(仮想通貨)の基礎:法定通貨とは異なり、価格が大きく変動することがある
- 359|ビットコインの特徴:発行上限や半減期があるが、値上がりが保証されるわけではない
- 360|ブロックチェーン技術:技術への評価と暗号資産の価格上昇は分けて考える
- 361|アルトコイン:種類によって仕組みも流動性もリスクも異なる
- 362|暗号資産の税金:売却だけでなく交換や使用でも確認が必要。制度は見直しの途中
- 363|取引所の選び方:登録状況の確認は出発点。それだけで安全にはならない
- 364|暗号資産のリスク管理:生活に影響しない範囲で、記録と共有を忘れずに
調べていて感じたのは、この分野は基本的な仕組みを知っているかどうかが、怪しい勧誘に気づけるかどうかを分けやすいということです。「儲かるらしい」という話だけで判断せず、事業者や仕組みを確認する。それだけでも防げるものはあります。
そのうえで、私自身は暗号資産を保有していません。値動きの大きさに耐える必要のない方法を、すでに選んでいるからです。
それでも、知っておく価値はあると思っています。知ったうえで選ばないことと、知らずに避けることは違います。前者であれば、自分や家族が勧誘を受けたときにも、落ち着いて中身を確かめられます。
長期の資産形成から考えたい方へ
暗号資産を保有しなくても、資産形成を始める方法はあります。長期・分散・積立を基本に、自分の家計やリスク許容度に合った方法から考えたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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免責事項
本記事は暗号資産および投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、暗号資産の購入や特定のサービスの利用を推奨するものではありません。
暗号資産は価格が大きく変動する場合があり、購入価格を大きく下回る可能性があります。また、取引システムの障害、事業者の経営状況、不正アクセスなどによって損失が生じる場合もあります。取引を行う場合は、事業者が提供する説明書面などを十分に確認し、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえて判断してください。
また、税制および暗号資産に関する法令・規制は改正される場合があります。実際の取引や確定申告にあたっては、金融庁・国税庁などの公式情報、または税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご確認ください。
👤 この記事を書いた人
よよみり|50代・宅建士・FP2級の現役サラリーマン
不動産業界32年、新NISA月10万円積立中。
資産形成・副業・健康習慣を等身大で実践しています。
このブログでは、50代からでも遅くない「老後資金づくり」と「ムリしないセミリタイア準備」をテーマに、 実体験ベースでまとめています。 → ブログトップページはこちら

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