株式投資で利益が出始めると、
必ず向き合うことになるのが税金と確定申告です。
「税金は難しそう…」と後回しにすると、
本来払わなくてよい税金まで支払ってしまうこともあります。
この記事では、Xで解説してきた株用語169〜175を中心に、
個人投資家が最低限知っておきたい税金の実践知識を、やさしく、詳しく整理します。
💡 重要:新NISAを使っている場合は、これらの税金はすべて非課税です。この記事は、特定口座や一般口座で取引している方向けの内容になります。
169|譲渡益課税(20.315%)
■ 譲渡益課税とは
株を売って利益(譲渡益)が出ると、
20.315%の税金がかかります。
この税率の内訳は以下の通りです:
- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税:0.315%
■ 特定口座(源泉徴収あり)なら自動で引かれる
特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば、
売却時に証券会社が自動で税金を差し引いてくれます。
そのため、確定申告は原則不要です。
■ 具体例
例えば、株を売って10万円の利益が出た場合:
- 税金:10万円 × 20.315% = 約2万315円
- 手取り:10万円 – 2万315円 = 約7万9,685円
つまり、利益の約2割が税金になります。
■ 注意点
一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の場合は、
自分で確定申告が必要になります。
170|配当課税
■ 配当課税とは
配当金にも、
譲渡益と同じ20.315%の税金がかかります。
多くの場合、配当金は受け取る時点で
すでに税金が引かれた状態(源泉徴収済み)になっています。
■ 具体例
例えば、配当金が1万円支払われる場合:
- 税金:1万円 × 20.315% = 約2,032円
- 手取り:1万円 – 2,032円 = 約7,968円
■ 税金を軽くできる場合もある
条件次第では、
配当控除や総合課税を使って税金を軽くできる場合があります(後述)。
■ 注意点
米国株などの海外株の配当金は、
海外でも税金が引かれるため、二重課税になることがあります(後述)。
171|損益通算
■ 損益通算とは
損益通算とは、
利益と損失を相殺できる仕組みです。
これにより、税金を減らすことができます。
■ 具体例
例えば、以下のような取引をした場合:
- A株で +10万円の利益
- B株で −8万円の損失
この場合、課税対象は差し引き2万円になります。
- 税金:2万円 × 20.315% = 約4,063円
もし損益通算をしなかった場合は、
10万円に対して税金がかかるため:
- 税金:10万円 × 20.315% = 約2万315円
つまり、損益通算をすることで約1万6,000円の節税になります。
■ 損益通算の条件
損益通算を使うには、以下の条件があります:
- 特定口座(源泉徴収あり)の場合:同じ口座内なら自動で損益通算される
- 複数の証券口座がある場合:確定申告が必要
172|繰越控除(3年間)
■ 繰越控除とは
繰越控除は、
今年の損失を、翌年以降3年間にわたって使える制度です。
つまり、今年損失が出ても、
翌年の利益からマイナスできるということです。
■ 具体例
例えば、以下のような場合:
- 2025年:10万円の損失
- 2026年:15万円の利益
この場合、2026年の課税対象は:
- 15万円 – 10万円 = 5万円
つまり、税金は5万円分だけになります。
■ 繰越控除を使うための条件
繰越控除を使うには、
損失が出た年に確定申告をしておくことが必須です。
その年に利益が出ていなくても、
必ず確定申告をしておきましょう。
申告しなければ、
損失は「なかったこと」になってしまいます。
■ 繰越控除の期間
繰越控除は3年間有効です。
- 2025年の損失 → 2026年、2027年、2028年まで使える
173|配当控除
■ 配当控除とは
配当控除とは、
配当金にかかる税金を軽くできる制度です。
ただし、誰にとっても得になる制度ではありません。
■ 配当控除を使う条件
配当控除を使うには、
総合課税を選ぶ必要があります。
総合課税を選ぶと、
配当金が他の所得と合算されて計算されます。
■ 注意点
総合課税を選ぶと、
以下のようなリスクがあります:
- 所得が増えるため、翌年の住民税が上がる
- 国民健康保険料が上がる(自営業者など)
- 扶養から外れる可能性がある
つまり、「節税したつもりが、逆に損をする」こともあります。
■ 配当控除が向いている人
配当控除が有利になるのは、
所得が低い人(目安:課税所得が330万円以下)です。
所得が高い人は、申告分離課税のままにした方が有利です。
174|総合課税・申告分離課税
■ 2つの課税方法
配当金は、
2つの課税方法から選べます。
- 申告分離課税:原則どおり20.315%
- 総合課税:配当控除が使える場合あり
■ 申告分離課税とは
申告分離課税は、
他の所得とは分離して計算する方法です。
税率は一律20.315%です。
■ 総合課税とは
総合課税は、
配当金を他の所得と合算して計算する方法です。
この場合、配当控除が使えます。
■ どちらを選ぶべきか
基本的には、
所得が低い人 → 総合課税
所得が高い人 → 申告分離課税
が有利になります。
ただし、住民税や国民健康保険料への影響も考慮する必要があります。
■ 具体例
例えば、課税所得が200万円の人が、
配当金10万円を受け取った場合:
- 申告分離課税:10万円 × 20.315% = 約2万315円
- 総合課税:10万円 × 10%(所得税率) – 配当控除 = 約5,000円
つまり、総合課税の方が約1万5,000円の節税になります。
ただし、住民税が上がるため、トータルで考える必要があります。
175|外国税額控除
■ 外国税額控除とは
米国株や海外ETFの配当金には、
日本と海外の両方で税金がかかる場合があります。
この二重課税を調整するのが、
外国税額控除です。
■ 具体例
例えば、米国株の配当金が100ドルの場合:
- 米国での税金:100ドル × 10% = 10ドル
- 日本での税金:90ドル × 20.315% = 約18.28ドル
つまり、合計で約28.28ドルの税金がかかります。
外国税額控除を使うと、
米国で払った10ドル分を日本の税金から引ける場合があります。
■ 外国税額控除を使うための条件
外国税額控除を使うには、
確定申告が必要になります。
特定口座(源泉徴収あり)でも、
外国税額控除を受けるには確定申告が必須です。
■ 注意点
外国税額控除は、
控除額に上限があります。
また、計算が複雑なため、
税理士や税務署に相談することをおすすめします。
まとめ|税金を知ることも投資の実力
投資の利益は、
「税引き後」で考えることが大切です。
今回の7つは、
一度理解してしまえば、毎年使える知識です。
税金を知らないと、
せっかく増やした利益が静かに削られていきます。
税金対策も、立派な投資判断。
難しく考えすぎず、使える制度から押さえていきましょう。
こんな人は確定申告を検討しよう(チェックリスト)
以下に当てはまる人は、確定申告をすることで節税できる可能性があります:
- ✅ 年間トータルで損失が出た人(繰越控除を使うため)
- ✅ 複数の証券口座で取引している人(損益通算のため)
- ✅ 米国株や海外ETFの配当がある人(外国税額控除のため)
- ✅ 所得が低い人で、配当金がある人(配当控除のため)
- ✅ 特定口座(源泉徴収なし)や一般口座で取引している人
逆に、特定口座(源泉徴収あり)で、年間で利益が出ている人は、
確定申告は原則不要です。
次のステップ
税金の基本を理解したら、
次は「口座の使い分け」や「新NISAの活用」を考える段階です。
制度を味方につけることで、
投資はよりシンプルで続けやすくなります。
💡 税金を気にせず投資したい人へ
税金や確定申告の知識も大切ですが、
一番ラクなのは「最初から非課税の仕組みを使うこと」です。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。
税制は変更される可能性があるため、最終判断は必ずご自身でご確認ください。
👤 この記事を書いた人
よよみり|50代・宅建士・FP2級の現役サラリーマン
不動産業界32年、新NISA月10万円積立中。
資産形成・副業・健康習慣を等身大で実践しています。
このブログでは、50代からでも遅くない「老後資金づくり」と「ムリしないセミリタイア準備」をテーマに、 実体験ベースでまとめています。 → ブログトップページはこちら


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