株式投資では、決算を読めるかどうかが結果を大きく左右します。 決算短信・四半期・上方修正・株価反応など、最低限押さえておきたい7つのポイントを整理しました。
この記事は、株用語シリーズの「決算の読み方編」です。
企業分析の基本指標から学びたい方は、先にこちらを読んでおくと流れがスムーズです。
👉 【株用語⑮】企業分析編①|ROE・EPS・FCFなど基本7指標
- 113 決算短信
- 114 有価証券報告書
- 115 四半期決算
- 116 通期決算
- 117 業績予想(会社予想)
- 118 上方修正・下方修正
- 119 決算発表後の株価変動
株用語シリーズ全体の一覧・詳しい解説はこちら👇
👉 株用語まとめ・詳細解説(よよみりブログTOP)
113|決算短信=最も早く市場に出る”速報版”決算
決算短信は、企業の決算内容をいち早く速報で出すための資料。 上場企業は必ず発表する義務があります。
特徴
- 最も早く出る公式決算
- 売上・営業利益・経常利益・純利益を確認できる
- 会社が出す”業績予想の修正”もここに掲載
まず見るべきポイント
- 前年同期比
- 会社予想との乖離
- セグメント別の利益構造
決算短信でざっくり業績をつかんだら、 詳しく企業の質を知るためにROE・EPS・FCFなどの指標を見ると理解が深まります。
👉 【株用語⑮】企業分析編①|”良い企業”を見抜く基本指標
114|有価証券報告書=会社の履歴書・辞書のような決算資料
有価証券報告書(有報)は”決算の完全版”。 短信より圧倒的に情報量が多く、会社の本当の姿が見える資料です。
特徴
- 事業内容・リスク・役員情報・従業員数など細かい情報を網羅
- IR初心者でも「会社の体質」を掴める
- 決算短信では省略される注記まで読める
企業の「強さ」「安全性」「株主還元」をもっと深く知りたいときは、 有報とあわせてROA・負債比率・総還元性向などの応用指標もチェックすると精度が上がります。
👉 【株用語⑯】企業分析編②|ROA・PEG・負債比率など応用7指標
115|四半期決算=3ヶ月ごとの定期報告
上場企業は3ヶ月ごとに四半期ごとの業績を開示する制度になっています。
見るべきポイント
- 業績が前年・前四半期から伸びているか
- 会社の「通期予想」と比べて進捗率はどうか
- 一時要因か、継続的な成長か
四半期ごとに追うことで、年間の流れを把握できます。
116|通期決算=企業の”その年の成績表”
1年間の最終結果をまとめたものが通期決算。 株価へのインパクトが大きいことが多い資料です。
ポイント
- 売上・利益が前年からどう変わったか
- 配当方針や来期の見通し
- 投資・株主還元の方向性
長期投資では、毎年の通期決算の積み上げが企業価値になります。
「来年以降も持ち続けたいか?」を判断するときは、 企業分析編①・ 企業分析編②で紹介した指標とセットで見るのがおすすめです。
117|業績予想(会社予想)=企業が出す”来期の見通し”
会社自ら示す「来年の業績予想」。 決算短信・通期決算にセットで発表されます。
注目ポイント
- 売上・利益は伸びるのか?
- 保守的な予想か?強気か?
- 市場コンセンサス(アナリスト予想)とのズレ
会社予想が上振れすると株価は上昇しやすくなります。
118|上方修正・下方修正=株価を大きく動かす”サプライズ”
会社予想を見直すことが修正。
上方修正(上振れ)
- 売上・利益が予想を上回るため予想を引き上げる
- 株価はプラスに反応しやすい
下方修正(下振れ)
- 予想を下回りそうなため引き下げる
- 株価はマイナスに反応しやすい
とくに下方修正はダメージが大きく、決算の要注意ポイントです。
119|決算発表後の株価変動=”結果そのもの”より市場の期待で動く
決算は「良い・悪い」だけで株価が動くわけではありません。 最も大事なのは「市場の期待と結果の差」です。
株価が上昇するケース
- 決算が市場予想より良かった
- 来期予想が強い
- 上方修正が出た
株価が下落するケース
- 決算は良いのに、期待を下回った
- 来期予想が弱い(下振れ)
- 下方修正が出た
決算そのものよりも、”期待値とのギャップ”が株価を動かしています。
まとめ|決算が読めれば企業の姿が見えてくる
決算を読めるようになると、企業の本当の実力や将来性がクリアに見えます。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| 決算短信 | 最速で出る決算速報 |
| 有価証券報告書 | 情報量が最も多い決算の完全版 |
| 四半期決算 | 3ヶ月ごとの業績推移 |
| 通期決算 | 1年の最終成績表 |
| 業績予想 | 会社が出す来期の見通し |
| 上方修正/下方修正 | 市場を動かすサプライズ |
| 決算後の株価 | 期待と現実の差で動く |
決算を読みつつ、企業分析編①・ 企業分析編②で学んだ指標を組み合わせると、 「本当に長く持ちたい企業」かどうかを数字ベースで判断しやすくなります。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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